村上春樹/ランゲルハンス島の午後

夙川・葭原(あしはら)橋

あらすじ:

安西水丸の絵とともに雑誌に連載された24篇と、単行本刊行に際して書き下ろされた1篇からなるエッセイ集。その書き下ろされたエッセイが、「ランゲルハンス島の午後」であり、膵臓の内に浮いているというランゲルハンス島に春の匂いを感じ、その辺りに触れてみると言う、村上春樹らしい感性に触れることの出来る作品である。

作品より引用

僕の家と学校のあいだには、川が一本流れている。それほど深くない、水の綺麗な川で、そこに趣のある古い石の橋がかかっている。バイクも通れないような狭い橋である。まわりは公園になっていて、キョウチクトウが目かくしのように並んで茂っている。橋のまん中に立ち、手すりにもたれて南の方に目をこらすと、海がきらきらと光を反射させているのが見える。

出典:『ランゲルハンス島の午後』 1986年11月 光文社刊
初出:「CLASSY」 1984年6月号~1986年5月号 (原題「村上朝日堂画報」 「ランゲルハンス島の午後」は1986年11月刊行時に書き下ろし)

村上春樹と西宮のかかわり>

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