大岡昇平 (東京生れ)

プロフィール  1909年-1988年

東京生れ。
京都帝大仏文科卒。
帝国酸素、川崎重工業などに勤務。
1944(昭和19)年、召集されてフィリピンのミンドロ島に赴くが、翌年米軍の俘虜となり、レイテ島収容所に送られる。
1949年、戦場の経験を書いた『俘虜記』で第1回横光利一賞を受け、これが文学的出発となる。
小説家としての活動は多岐にわたり、代表作に『武蔵野夫人』『野火』(読売文学賞)『花影』『レイテ戦記』(毎日芸術大賞)などがある。
1971年、芸術院会員に選ばれたが辞退。
(以上、新潮社HPより)
文学者としての良心に従い、率直な文筆活動を続けて、さまざまなジャンルにおいて高い世評を受けた。88年、永眠。

学歴

京都帝大仏文科卒(1932年)

栄典

※1971年、芸術院会員に選ばれたが辞退。

文学賞

1949年 横光利一賞 『俘虜記』
1952年 読売文学賞 『野火』
1961年 毎日出版文化賞、新潮社文学賞 『花影』
1972年 毎日芸術賞 『レイテ戦記』
1974年 野間文芸賞 『中原中也』
1976年『全集』刊行など 朝日文化賞
1989年 読売文学賞 『小説家夏目漱石』

主要作品

『俘虜記』
『武蔵野夫人』
『野火』
『花影』
『ミンドロ島ふたたび』
『レイテ戦記』

西宮とのかかわり

大岡昇平が『酸素』執筆のモデルとしたのは、作者自身の阪神間での生活体験です。
1938年11月、日仏合弁の帝国酸素株式会社(神戸市)に翻訳係として入社した大岡は、西宮市夙川のアパート、甲南荘にひとまず落ち着き、同年12月には神戸市の旭アパートに転居します。
1943年6月に帝国酸素を退社するまで、大岡は結婚や子供の誕生などを経験しつつ、阪神間での生活を楽しんだようです。
のちに当時の体験から生まれた小説『酸素』は、戦局激化し続ける世界情勢を巧みに織り込みつつ、昭和初期ブルジョワ社会の最後の輝きをみせていた当時の阪神間の世情を、小説の背景として描き出しています。
ちなみに、大岡の住んだ甲南荘は、谷崎潤一郎『細雪』にも「松涛アパート」として描かれています。
小説『酸素』では「甲山アパート」として描かれ、阪急夙川駅界隈が登場します。

関連のある作品

『酸素』

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