松尾諭/拾われた男

甲子園/鳴尾

松尾諭 「 拾われた男」

あらすじ

帯には「個性派俳優・松尾諭による波瀾万丈「自伝風」エッセイ!」とある。
紆余(うよ)曲折があった20代と30代。自動販売機の下に落ちていた飛行機のチケットを拾ったことから始まる。
そのチケットの落とし主はモデル事務所の社長のものだった。
このことが、俳優になろうと上京した松尾の人生が動き始めたきっかけとなった。
とはいえ、借金生活からはなかなか抜け出られない。
振られた回数十三回、借金地獄に、落ち続けるオーディション。
そんな自身の体験が赤裸々に綴られている。
終盤は、何年も会っていなかった兄を迎えにアメリカへ旅立つ話になる。

作品より引用

「あんたは、武庫川の河川敷で花見をしている時に拾って来た子やからな。」

小説の中の挿絵
拾われた男 武庫川
武庫川駅からの眺め

・・・・思っていた以上には盛り上がらなかった試合の観戦を終えて、地元甲子園に移動し、また別の先輩が経営するバーに集められたラグビー部の先輩と同級生と後輩達と酒を酌み交わした。・・・中略・・・・その夜は遅くまで飲み、甲子園駅近くのホテルに泊まった。

松尾さんの思い出のある頃の甲子園駅

すっかりおしゃれになった甲子園駅

鳴尾駅近くに差し掛かり、中学の時に通っていた学習塾を探したが影も形も残っていなかった。

かつての鳴尾駅
現在の鳴尾駅

小曽根線の交差点を左に曲り少し北へ上がって東に折れた。・・・中略・・・・旧国道をただ歩きうどん屋に着いた。

松尾諭と西宮のかかわり>



出典:2020年6月30日 株式会社文芸春秋
初出:文春オンライン(約3年間連載)

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