司馬遼太郎/俄―浪華遊侠伝―

戎神社、西宮港

あらすじ:

「ワイの一生は一場の俄や」という伝説の侠客の生き様を描く。父親の逐電により、数え十一歳で一家を養わねばならなくなった万吉は、賭場を荒らし、「殴られ」て日銭を稼ぐ。それで莫大な金をもうけ、遊侠として名をあげ、最後には慈善事業につくす。破天荒な男の一代記。

索引より引用

摂津西宮は、大坂から五里である。(中略)西宮は、付近の灘や池田、伊丹とともに酒どころとしても知られ、巨大な酒造業所が密集し、西宮港の回船問屋がこの酒を諸国に輸送する。酒の港として高名である。

余談だが、毎年春二月に新酒ができると、この新酒を関東方面に輸送する出船は、品川につくまでの太平洋岸を競争で航送する。(中略)品川ではその船の到着を待ち、最初に到着した酒は、「一番酒」として江戸での値段がとくべつ高価になるのである。

出典:『司馬遼太郎全集 第十三巻 第十二回配本 俄 他』 1972年8月 文藝春秋
初出:『俄 浪華遊侠伝』 1966年7月 講談社

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