城山三郎/零からの栄光

鳴尾飛行場(鳴尾競馬場跡地)

あらすじ:

零戦に次ぐ日本の新兵器「紫電改」。米軍も恐れたこの戦闘機を作ったのは、西宮の小さな航空機メーカー。川西竜三を中心とする飛行機にほれ込んだ男たちが作ったのだ。この川西竜三の商魂と戦争・敗戦という大きな時代の流れを軸にPS飛行艇を作るに至った「川西航空機―新明和工業」の企業のものがたり。

作品より引用

一方、当時日本一といわれた隣接の鳴尾競馬場をつぶして、突貫工事で飛行場がつくられた。(中略) このため、鳴尾の飛行場には、首や脚のない飛行機が百機前後も並び、外の道路へまで溢れ出ていることがあった。(中略) 鳴尾かいわいは、どこまで走っても暗かった。ところどころ焼跡のバラックなどから漏れる裸電球の灯が見えるばかりである。

出典:『零からの栄光』 城山三郎著 1975年2月 角川書店

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