平中悠一/”She’s Rain” シーズ・レイン

夙川

あらすじ:

1983年、僕とレイコとストリート・キッズ達のもどかしくもキラキラした17歳の夏。80年代ティーン・エイジのピュアな感性を鮮烈に描き出した。映画化もされて、80年代の若者文化を代表する作品となった。
語り手の「僕」とガールフレンドのレイコは、友達以上恋人未満の関係だ。「大好きだから自由な二人でいたい」と考えている「僕」だが、レイコのひたむきさをかいま見て、心が揺れ動いたりもする。夏休み直前の「試験休み」。阪神間の17歳たちの微妙な思いと切ない行動を描いた、ティーンエイジ・ノベルの傑作である。

作品より引用

以下は、街の情景。4車線の自動車道路に架かっている陸橋の上で、フレンチ・ホルンの練習してる男のコ。白いプレーンなTシャツにブルージーン。”Pavane Pour Une Infante Defunte” 雨あがりのアスファルトのにおい、夏のにおい。ハンバーガー・ショップの中の椅子に座って通りを眺めてる-街を眺めるベストの方法を実践している-女のコのポニー・テイルのおっきなリボン。その店のキャシアーの女のコがウインクをなげる。あのコはたしか中学の時のクラスメイト。1度だけデイトしたことがある。ポップコーンをほおばって、二人で映画をみたっけ。素的になったね。大事そうにヴァイオリンのケースを抱きしめて歩いてくる女のコ。(中略)街は、海に面した巨大な三日月型の沖積平野にある。海は平野の内側にあり、更に山地は平野をかこむように、北、東、南の方角にある。タカノブの家は北側の山の手に位置する。2階にあるタカノブの部屋から平野が一望できる。
(『”She’s Rain” シーズ・レイン』p.113~115)

平中悠一と西宮のかかわり>

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