福沢諭吉/福翁自伝

名塩

福翁自伝 福沢諭吉

あらすじ:

福澤諭吉の口述筆記による自叙伝。緒方洪庵の塾での書生時代、咸臨丸での渡米などを経て、近代思想家・教育者となるまでを、幕末から明治維新の日本の変化を背景に語る。

作品より引用

摂州三田藩の九鬼と云う大名は兼て懇意の間柄で、一度は三田に遊びに来いと云う話もあり、私もその節病後の身で有馬の温泉にも行て見たし、かたがた先ず大阪まで出掛けて、大阪から三田まで凡そ十五里、途中名塩に一泊する積りにして、ソコで大阪に行けば何時でも緒方の家を訪問しないことはない、故先生は居ないでも未亡夫人が私を子のようにして愛して呉れるから、大阪に着くと取敢えず緒方に行て、三田に遊び有馬に行くことなども話しました所が、私は病後でどうも歩けそうにない、駕籠を貸して遣ろうと云われるので、その駕籠をつらせて大阪を出立した。

出典:『福翁自伝 澤全集緒言』 2003年11月 慶應義塾大学出版会
初出:「時事新報」 1898年7月1日~1899年2月16日

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