西宮ヨットハーバー
あらすじ:
1962年、水平線の向こう側へ挑んだ一人の若者がいた。わずか6メートル弱のヨット「マーメイド号」で太平洋を横断した堀江謙一。孤独と挑戦の日々をつづった航海記。
作品より引用
阪神の西宮駅前にある<不二屋>に入った。ビールで乾杯して、ぼくは焼飯をご馳走になる。ほんとうは、猛烈にスシが食べたかったが、でも、生ものを食って、腹をこわしては一大事だ。かろうじて、我慢する。焼飯もほどほどにして残した。セーリングには、腹がすいているぐらいのほうがいい。
出典:『太平洋ひとりぼっち』 2004年2月 舵社
初出:『太平洋ひとりぼっち』 1962年12月 文藝春秋