万葉集(南西部)

松原神社付近

『万葉集』は、今から1300年ほど前の日本最古の和歌集で、4516首の歌が、20の巻に分けて編集されている。

天皇から有名歌人や庶民にいたるまで、男女いろんな人々の歌が収められており、大伴家持が編纂したとも言われている。万葉歌には日本全国の1200か所もの地名が詠み込まれている。

古代の国家は大和に朝廷があり、奈良県を中心として、近畿地方で詠われた歌は数多いが、兵庫県だけでも約140首の歌がある。

また、万葉人は都から山陽道をたどり、また難波の港から海路を、大宰府・西海道に行き来した。この西宮市も貴重な交通路にあたり、故地として集中9首の歌が詠まれている。

武庫の入江から続く一帯の浜辺は、鶴が飛来し、白砂青松の美しい風景の広がる地域であったことを万葉歌から学ぶことができる。

海人娘子 いざり焚く火の おぼほしく 角の松原 思ほゆるかも(17-3899)
訳:海人の娘たちが焚く、いさり火のように、ぼんやりと角の松原が 偲ばれることだ。

解説

「角の松原」の「角」は、津門の海岸の「津門」説や、海が湾入して突き出た地形を「角」とたとえた説、「津の野」という語源説など特定はできないが、西宮市松原町の松原神社付近が故地とされている。津門神社は「務古の水門跡」と伝えられている。「角の松原」は、白砂青松の景勝地として、往還の旅人たちのうわさに違わぬ憧れの土地だったのだろう。

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