織田作之助/六白金星

香櫨園周辺、香露園海岸

六白金星 織田作之助

あらすじ:

妾の子として生まれた楢雄は、兄の修一と比べ、勉強も出来ず、父親にも似ていないことをひがんでいたが、自分が六白金星の星の下に生まれ、「こうと思い込んだやりぬく男だ」と意地をはり、損を承知で生きていく姿が描かれる。

作品より引用

中学へはいった年の夏、兄の修一がなにを思ったのか楢雄を家の近くの香櫨園の海岸へ連れ出して、お前ももう中学生だから教えてやるがと、ジロリと楢雄の顔を覗き込みながら、いきなり、「俺たちは妾の子やぞ」と、言った。

出典:『織田作之助全集 5』 1970年6月 講談社
初出:「新生」 1946年3月 3月号。

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