庄野潤三/流木

関学

あらすじ:

関西学院大学の劇研究会部長、沼四郎の前に新入部員として入部して来た真柄涼子。二人は恋に落ちるが、沼が就職もせず俳優を志すために別れることになる。恋に破れた沼は薬を飲み、投身自殺を図る。その彼が流木のように流れつき、新たな人生が始まる予兆で作品は終わる。

作品より引用

真柄涼子が沼四郎の前に現われたのは、彼が阪神間で有名な私学として知られているその大学の四年に進んだ四月の始め-昭和二十五年のことである。沼が中央講堂の二階にある劇研究会の部屋で弁当を食べているところへ、窓の下から彼の名を呼んだ。

出典:『流木』 1973年 講談社刊 より
初出:『群像』13号 1953年12月
<再掲>『文藝春秋』4号 1954年3月

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