田辺聖子 (大阪市出身)

プロフィール  1928年 3月27日 – 2019年6月6日

大阪生まれの小説家、エッセイスト。
大阪、福島の写真館の長女。女学校在学中に終戦を迎え、十九の春の1947年(昭和22年)大阪の金物問屋の事務員になる。終戦の年の6月に空襲で家が焼け、12月に父が死去、母と弟・妹の母子四人の苦しい生活であった。

仕事の傍ら映画を見る生活の中で小説やエッセイを書き始める。
その後、弟・妹の卒業と就職、結婚で仕事を辞め、家事担当のかたわら執筆をする暮らしに。
同人雑誌『文芸首都』(東京の保高徳蔵氏主宰。当時の同人に佐藤愛子、北杜夫、なだいなだがいた)『大阪文学』(大阪文学学校の仲間で作った雑誌)に入っていた。

鋭い人間観察と高い知性をユーモアに包み、小説、評伝、随想など幅広い分野で活躍。古典文学への造けいも深く、「源氏物語」の口語訳をはじめ古典紹介などでも大きな成果を収めている。また、無類の宝塚ファン、スヌーピー好きとしても知られる。

学歴

樟蔭女子専門学校(現大阪樟蔭女子大学)国文科卒

栄典

文化功労者
文化勲章

文学賞

大阪市民文芸賞
芥川賞
女流文学賞
吉川英治文学賞
菊池寛賞
泉鏡花文学賞/読売文学賞
蓮如賞
朝日賞

主要作品

<小説>
花狩
感傷旅行
千すじの黒髪
姥ざかり
私的生活
ひねくれ一茶
道頓堀の雨に別れて以来なり
ゆめはるか吉屋信子
姥(うば)ざかり花の旅笠~小田宅子の『東路日記』~<古典の現代語訳>
新源氏物語
むかし・あけぼの―小説枕草子―

<エッセイ>
女の長風呂
ああカモカのおっちゃん
かるく一杯

出典

「田辺聖子」『はてなキーワード』、URL:http://d.hatena.ne.jp/keyword/

西宮とのかかわり

田辺聖子本人は伊丹市在住であるが、母親が西宮市の水道局に勤務していた関係で、水道局のパンフレットに次のような一文を寄せている。
「満池谷の桜は、山あり水ありで野趣にとりまかれているせいか、大へんひなびた風情にみちており、すがすがしい。それを包む阪神間特有の温暖な空気の肌触り、高台だから頭上の広がる天空が、打てばひびくように朗々とすんでいるのもよい。浄水場を桜で埋めるというアイデアは楽しく美しい。こんな手軽に来られる花見の名所を知らずに過ごしたのは惜しかった。

『去年も咲き 今年も咲くや 桜の木』という一句は鬼貫だったか。これからは満池谷の花便りをまつという、春のたのしみが私には一つふえた。
1969年には、グラフ 西宮に、甲山神呪寺の如意輪観音のことを書いた「如意輪観音秘話」を寄稿している。

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