稲垣足穂/ヒコーキ野郎たち

香櫨園浜・鳴尾浜

あらすじ:

鳴尾競馬場にて、飛行機を作成した稲垣足穂。その当時の記録を交え、飛行機の思い出などを語ったエッセイ風の作品。

作品より引用

去年の春この同じ場所に、上面を黒く下面を赤に、そして方向舵には横縞と星とをあしらい、上翼のおもてにART SMITHと白く大書したカーティス複葉機が置かれていた。これにならんで普通の茶褐色に塗り上げられたのがあって、この二機の周りに新聞記者やら名士やら軍人やら幼年学校の生徒やらがこみ合っていた。お昼過ぎに私が、枝川の松並木に沿うた馬場の西外れのクローバーの上にひとりで佇んでいたら、観覧席の方から黄に塗られた豆自動車が走ってきた。

出典:『稲垣足穂全集 6 ライト兄弟に始まる』2001年3月 筑摩書房 
初出:「作家」 1966年2月 (原題「扇の港」)

稲垣足穂と西宮のかかわり>

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