遠藤周作/黄色い人

夙川カトリック教会・仁川

黄色い人

あらすじ:

日本人と西洋人の罪意識の違いを焦点に据え、戦時下の人の心の荒廃を描いた作品。

作品より引用

 阪急の駅に二年ぶりでおりた時、ぼくはこれら仁川の風景のなかに、子供のころの自分をむなしく探そうとしました。赤松林や白い花崗岩の丘に結びついた幼年時代ではありません。日本の土地にありながら、にせの異国風景をいかにも小賢しく作り上げた仁川は、黄色人のくせに母や叔母の手によって、あなたの教会の洗礼を受けさせられた自分にそっくりでした。

出典:『白い人・黄色い人 ほか二編』 1971年12月 講談社文庫
初出:「群像」 1955年11月 11号

遠藤周作と西宮のかかわり>

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